お役立ち情報・vol4

需要予測と購買サービスの使い分けで、調達業務をデータドリブンに。
~「予測」と「実⾏」似て⾮なる2つのサービス~

目次

  1. 第1章:「予測」と「実⾏」:似て⾮なる2 つのサービス
  2. 第2章:データドリブン調達はこうして実現する
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「需要予測サービスと購買サービスの使い分けで、調達業務をデータドリブンに。」

需要予測サービスと購買サービスの使い分けで、調達業務をデータドリブンに。

多くの企業で、調達業務は⻑年の経験と勘に頼りがちです。「⽋品は避けたいから多めに発注しておく」「去年と同じくらいでいいだろう」といった判断は、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化や、急な需要変動に対応できない機会損失のリスクを常に抱えています。こうした属⼈化した業務から脱却し、データに基づいて最適な意思決定を⾏う「データドリブンな調達」へ移⾏するために、「需要予測サービス」と「購買サービス」という2つのツールを戦略的に使い分けることが極めて有効です。

この記事では、両サービスの違いを明確にし、どのように連携させれば調達業務を⾰新できるのかを具体的に解説します。

「予測」と「実⾏」:似て⾮なる2 つのサービス

まず、両者の役割の違いをはっきりと理解することが重要です。これは、⾞の運転における「カーナビ(予測)」と「アクセルやハンドル(実⾏)」の関係に似ています。

需要予測サービス:未来の「⽬的地」を算出するカーナビ
需要予測サービスの役割は、ただ⼀つ。「いつ、何が、いくつ売れる(必要になる)のか」という未来の需要を⾼い精度で予測することです。

主な機能:
AI/機械学習や予測機能が、過去の販売・出荷実績、在庫データ、季節変動、天候、プロモーション情報などの膨⼤なデータを分析します。これらのデータから需要の変動パターンを学習し、将来の需要量をSKU ごと、拠点ごとといった細かい単位で算出します。最適な安全在庫レベルや発注点を推奨することもあります。
⽬的:
意思決定の精度を⾼めること。
勘や経験ではなく、客観的なデータに基づいた「需要予測値」という判断材料を提供します。

購買サービス(調達⽀援システム):⽬的地へ向かうための「運転操作」
⼀⽅、購買サービスの役割は、算出された計画に基づいて、発注から⽀払いまでの⼀連の購買プロセスを効率的に実⾏・管理することです。

主な機能:
サプライヤー情報(価格、リードタイム、取引実績など)を⼀元管理します。発注書の作成、送付、納期管理、検品、⽀払い処理といった定型業務を⾃動化・効率化します。複数のサプライヤーを⽐較検討し、最適な発注先を選定する機能を持つものもあります。
⽬的:
業務の効率を⾼めること。煩雑な⼿作業をなくし、コストや時間を削減します。

連携シナリオ:データドリブン調達はこうして実現する

では、実際にこの2つのサービスを連携させると、調達業務はどのように変わるのでしょうか。具体的な業務フローを⾒ていきましょう。

Step1.予測:需要予測サービスが「推奨発注数」を算出
まず、需要予測サービスが、⽇々蓄積される販売実績や在庫データ、さらには販促計画などの情報を取り込み、将来の需要を予測します。そして、現在の在庫数や設定されたリードタイムを考慮し、「商品AをX個、BをY個発注すべき」という具体的な「推奨発注リスト」を⾃動で作成します。

Step2.承認:担当者は「確認と承認」に集中
調達担当者は、毎⽇ゼロから発注数を考える必要はもうありません。システムが算出した推奨リストを確認し、最終的なビジネス判断(例:サプライヤーの⽣産能⼒、新商品への切り替えなど)を加味して承認するだけです。これにより、担当者は単純作業から解放され、より戦略的な判断に集中できます。

Step3.実⾏:購買サービスが発注を⾃動化
承認された発注リストは、APIなどを通じて購買サービスに⾃動で連携されます。購買サービスは、登録されているサプライヤー情報に基づき、発注先に⾃動で発注書を作成・送付します。FAXやメールでの⼿動発注はもう不要です。

Step4.管理と分析:結果を未来の予測へフィードバック
購買サービスは、その後の納期回答、⼊荷・検品処理までを⼀元管理します。そして、「実際にいつ、いくつ⼊荷したか」という実績データは、再び需要予測サービスにフィードバックされます。このサイクル(PDCA)を回し続けることで、予測と実⾏の両⽅の精度が継続的に向上していくのです。

この2 つは競合するものではなく、お互いを補完し合う関係なのです。 ⾼性能なカーナビがあっても、実際に⾞を動かさなければ⽬的地には着きません。逆に、やみくもに運転しても、最適なルートは通れないのです。

成功へのポイント

2つの⻭⾞を噛み合わせるためにこの仕組みを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。

データ整備が全ての⼟台:
両サービスの効果を最⼤化するには、元となるマスタデータ(商品マスタ、取引先マスタなど)や実績データが正確に整備されていることが⼤前提です。

スムーズなデータ連携:
需要予測サービスと購買サービスがスムーズにデータをやり取りできるか、API 連携の可否などを事前に確認することが重要です。

スモールスタートで始める:
最初から全商品・全部署で導⼊するのではなく、特定のカテゴリや課題の⼤きい領域から⼩さく始め、効果を検証しながら展開していくのが成功への近道です。

需要予測サービスと購買サービスは、データドリブンな調達業務を実現するための両輪です。この2 つの⻭⾞をうまく噛み合わせることで、貴社の調達業務はより戦略的で競争⼒のあるものへと進化するでしょう。

ご参考

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